ここジャカルタでは州知事選があります。
発端は現州知事の宗教に関する問題発言でした(問題でないと判断する人もいるのですが、多くのインドネシアのイスラム教徒は問題と判断しているようです。)
いつも冷静な僕の同僚にも意見を聞いたのですが、現州知事であるアホック氏は教養があるのだから誤解を招くような発言は避けることができたはずだとのこと。
それでも発言したのはイスラム教をよく思っていないからだと彼は言っていました。
それは単なる個人の意見ですが、彼が思うということは多くのインドネシアのイスラム教徒達も同じことを考えても全く不思議ではないわけです。
そういった動きもあり、現在ジャカルタでは来週の知事選に向けてのデモ行為が毎日のように起きています。
「インドネシア旅行中デモに遭遇しても安全?」
「ニュースでデモの映像を見たことあるけど何を注意すれば?」
「今度旅でインドネシアに行っても大丈夫?」
特に旅行中の方などには色々疑問や不安があると思いますのでデモについて詳しく紹介していきます。
目次
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インドネシアの主なデモの種類
賃上げデモ
インドネシアは従業員に非常に優しい国で、絶対にボーナスを払わなくてはならない、退職金は自己都合でも払わないくてはならない等非常に法律によって保護されています。
また給料に関しても労働組合の力によって毎年一定の割合以上が上がっています。
自分がインドネシアに来てから一番大きかった最低賃金の昨年比上昇率は44%でした(凄いよね)
2016年は10%くらい、今年はまだ決まっていませんが労組は20%を要求しているようです(苦笑)
つまり、賃上げデモとは、最低賃金上昇率に対する不満を主張するデモなのです。
毎年10%程上がるだけでも僕ら外国人にしてみれば凄いことだと思うのですが、納得いかないとデモをしています。
これによって多くの製造業の国際的競争率が急激に下がっていてインドネシアの問題になっていますが、それに気づいているのは外国人だけで多くのインドネシア人は気づいていないもしくは黙認しているのが現状です。
それはそうですよね、自分の給料が上がるなら悪い気はしませんよね?
そこで国際的な競争力とか、現地企業の撤退による失業などを心配できる人は少ない様です。
旅行好きな方なら、もしくは東南アジア好きの方なら知っているかもしれませんが、最低賃金は今まで東南アジアではシンガポールを除けばマレーシア、タイが高かったのですが、そのタイの最低賃金を超えてインドネシアが躍り出たのでたんです。
しかしその分生産性が上がったわけではなく、デモの力によって急激に上昇したことで多くの企業の負担になっており、撤退する企業も増えています。
そういうことを知っておきながら旅行すると結構面白いかもしれません。
汚職反対デモ
インドネシアではまだまだ汚職が目立つ国です。
どこの国でも汚職はあるのでしょうが、ここインドネシアではあからさまにお金が消えたり、使用用途不明金が放置されているといったケースが多く頻繁に汚職に対する疑いがかけられています。
そういった疑いに対して厳格な調査を求める声や、辞任を求めるといった形でデモが行われます。
旅行中にイミグレでお金を要求された経験を持っている方はいませんか?
もしくは旅行中にパスポート不携帯などの理由で警察などから罰金を請求されたことはありませんか?
そういったことも汚職の一つです、旅行中にそういったことがあると非常に嫌な気持ちになるものですが、まだまだ多いといわざるを得ません。
政治運動デモ
基本的には選挙のたびに多くの支持者たちによる選挙運動です。
といっても実情はそうではなく、多くの参加者たちに政治思想はなく、金で雇われているケースが多いです。
デモ行進を見るとよくわかるのですが、支持者たちは同じTシャツを着て、同じ色のタオルや帽子を被っています。
地方からくるデモ参加者がお金を出して一致団結してグッズを揃えているかというとそうではなく、誰かが金を出して組織しているということです。
友人の話によると参加すると大体一日50万ルピア(4,500円くらい)もらえるようです。
驚くことに手当だけでなく、1日分の飲食・お土産付きのようです。
勿論本当にまじめに参加している人もいるかもしれませんが、団体行動している人は大体お金で動いている人だと予想されます。
今月ある州知事選挙に関しても既に多くの選挙運動が開始されていますが、見た感じ真面目に参加している人は少なく、多くは歩いているだけのように見えます。
ちなみに地方から来たせいか、白人が珍しいようで、偶然通りかかった白人と一緒に写真を撮っている人もいました(苦笑)
ちなみに私も実は旅行でインドネシアに来た時に写真を撮ってとせがまれたことがあります。
最初はお金を取る詐欺だと思ったのですが、どうも様子が違うので一緒に記念写真を撮りました(笑)旅行者の皆さんももしかしたら旅行中に写真をお願いされるかもしれません。
もしデモに遭遇したら
当たり前ですが、基本的にすぐに遠ざかりましょう。
何かといちゃもんつけられる可能性もあります。
例えば、自分が来ている服の色が、ある政治家のイメージカラーと一緒だからといって
「お前は彼を支持しているのか?」
などと他の政治家支持者から難癖つけられるなどよくあります。
なので、旅行者の方は特に知識がないと思いますので、デモ隊には近づかないのが一番の対策です。
もしくはデモ隊の近くを通る時は車で移動することを徹底しましょう。
できれば中が見えないようにスモークガラスになっている車がベストです。
特に賃上げなどお金に関するデモの時はお金持ちに矛先が向く可能性もありますので、綺麗目の格好をしているであろう日本人観光客の皆さんは特に気を付ける必要があるといえます。
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近々インドネシアに旅行に行くけど安全??
大体のデモはジャカルタで起きますので他の年に行く場合は問題ないことが多いです。
インドネシアの中でもデモが起きるのは中心地ですので、中心地以外の観光地に用事がある場合であればそれも問題ないことが多いです。
ただ、デモ情報などは前もって日本大使館のHPで出ますので、エリア、日程などを旅行出発前に確認した方が確実です。
ちなみに今月でいうと、15日に選挙があってその1週間後くらいに結果が出るはずですので、20日~30日くらいの間はジャカルタに来ない方がよいかもしれません。
仕事でどうしてもというなら仕方ないですが、旅行などで延長できるのであれば延長した方が安全です。
折角旅行でジャカルタに来たのにデモで動けないなんて状況になったらもったいないですしね。
まとめ
デモ隊はかなり興奮している人もいるので、近づかないに越したことはありません。
ただ、デモが多いから危険な国だとは思ってほしくはないです。
日本はデモが少ないから理解が難しいかもしれませんが、理由や根拠はどうあれ自分達の意思を主張するというのは非常に大事なことだと思うからです。
国が決めたことならなんでもいうことを聞いてしまうのが日本の国民性だと思うのですが、インドネシアではむちゃくちゃな理由でも自分たちの意思を明確にして主張します。
結果はどうあれ主張することによって何かしら影響はあるでしょうし、主張することに意味があります。
なので、デモ隊自体には気を付けなければなりませんが、それを国のイメージとはせずに一般的な社会現象として見て頂ければいいのかなと思います。
こういったことに注意して旅行をお楽しみください。
もし気になることがあればコメントください。