インドネシアの輸入通関、手続き/鉄鋼製品規制含むまとめ

インドネシアでビジネスをしている人にとっては周知の事実ですが、インドネシアは輸入通関手続きが非常に煩雑なことで有名です。

輸入通関するのに5日~7日かかることもざらですし、もっとかかることもあります。

通関が遅れると、輸入計画、納品計画など全て遅れて客先に迷惑が掛かるのは勿論、余計な費用もかさみます・・。

よって現状ほとんどの輸入者は通関の遅れを考慮して多めのリードタイム、リスク回避分の価格設定せざるを得ない状態なんです。

そんな困ったインドネシアの通関事情をまとめましたので、参考にご覧ください。

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目次

輸入者の種類

インドネシアでは輸入できる会社は大きく分けて2種類です。

製造業 API-P
商社等 API-U

このライセンスによって輸入できる貨物や関税率(BM)、所得税(pph)が変わります。

輸入の流れ

  • 海外へ発注
  • 相手からインボイス、パッキングリスト、船荷証券、原産地証明書、保険証書のコピーをPDFでもらいフォワーダーへ渡す。
    その後原本を送ってもらいそれもフォワーダーに渡す。(保険は貿易条件による)
  • PIB情報待ち、ドラフトをもらったら間違いがないか確認。
  • 貨物到着
  • PIBオリジナルをもらう。
  • PIBを払う。
  • EDI入力、通関スタート
  • グリーンラインかレッドラインかの判定
  • グリーンならSPPBが通関開始から3日以内に通関完了
  • レッドの場合検査が始まり、グリーンよりも+3~5日は多く通関が掛かる。

必要書類

輸入申告書(PIB)
輸入関税納付書(SSP)
インボイス
パッキングリスト
船荷証券
その他(原産地証明書等)※FTAによる関税免除を受ける時は必須

税金の種類

BM=関税
PPN=付加価値税(10%)
PPH22=前払い所得税(2.5%)※小麦や燃料、紙など一部製品は違う

HSコードの検索方法

http://eservice.insw.go.id/

このサイトでHSコードを入力、検索すれば関税率が分かります。
また、FTAによる免除または関税緩和率などが分かります。

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鉄鋼製品の輸入規制

自動車産業が栄えるインドネシアでは、鉄鋼製品の輸入規制で困っている人が大半です。

インドネシアで生産していない製品にも規制をかけるのですから本当に困ったものです。

しかも通関できるかどうか輸入してみないと分からない・・・みたいな曖昧なことが多いのも問題の一つです。

というのは、敢えてなのか分かりませんが、輸入通関に関する条例が大体曖昧になっており、税関職員の判断によってどうとでも捉えられるようなことも多く、不正の温床になっています・・・。

ライセンスについて

規制対象商品は新たに輸入ライセンスを取得する必要があります(Additional license)

製造業(API-P)は12か月、商社(API-U)は6か月ごとに更新する必要があります。

また、名目上全ての製品がUserに紐づいている必要があり、輸入数量枠も申請し、認された輸入数量の中で輸入する必要があります。

ちなみに承認された輸入数量枠の60%以上を達成していないと次回の更新が出来ない可能性があります

もしくは輸入枠を増やしたい場合も、60%以上輸入枠を使っていないと更新期間を待たずに輸入ライセンス変更はできません。

輸入規制の特例

Additiolnal licenseが必要な鉄鋼製品も、1トン未満であれば輸入できるという特例があります。

これを用いれば重量の少ないナットやボルトの輸入などはできますが、1㌧未満の便を多く輸入すると止められたというケースもあるので、かならずしも安全ではないのが現状です

但し、SNI取得または免除を工業省から受けている場合は輸入がスムーズになるという話もあります。

SNIについては下記で説明します。

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Additional linceseの申請方法

Additional licenseの取得は大きく分けて2ステップです。

工業省(MOI)での申請
商業省(MOT)での申請

です。

必要書類

申請には客先からのPOまたはForecastと契約書、製造フロー表、会社概要、営業許可書などが必要で、これを揃えるのに結構な時間が掛かります。

推定申請時間

上記の書類を揃えて申請してからの時間は、工業省では1~1.5ヶ月程平均で掛かります。
フォローしないともっと遅くなることもあります。

商業省では1週間~2週間くらいです。

これを経てようやくライセンス取得となります。

SNIについて(インドネシアの国家規格)

2018年2月から一部の鉄鋼製品はSNI取得もしくはSNI免除の許可書が必要になりました。

輸入しているアイテムがSNIが必要かどうか判定してもらう必要があり、工業省にてAdditional license同様にWEb申請します。
この判断には1週間~2週間掛かります。

参考資料

HSコードごとの規制対象はこちらの資料が分かり易いです↓

Jetro
https://www.jetro.go.jp/biznews/2017/02/a60521df8bfb2537.html

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まとめ

インドネシアの輸入通関事情や鉄鋼製品の規制について紹介しました。

インドネシアでは通関に困っている人が多くいるということを日本サイドが良く分かっていないことがあり、問題になっていますので、これを機に日本サイド、もしくはインドネシアに輸出する予定の方は、こんな事情があると分かったうえで輸出してもらえればお互いにストレスが無くなると思います

インドネシアの劣悪な輸入事情はまだまだ続きます・・・

 

 

投稿者: emodrum

インドネシアはジャカルタで新規事業立上中、元たこ焼屋。 海外就職、現地採用、海外生活、海外ビジネス、ノマドの欲しがる情報 など紹介。

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