ども、ジャカルタプチ起業中のemoです。
今回はジャカルタのインフラ状況について紹介します。
目次
1.ジャカルタの超不便利さ現状
2.具体的な整備案件(達成するかどうかは別)
3.案件が進まないとどうなるのか
4.まとめ
1.ジャカルタの超不便利さ現状
ジャカルタに来たことがあれば誰もが忘れない名物があります。
来たことが無い人も聞いたことはあるかもしれません、そう
ジャカルタは世界ワースト1の大渋滞都市なのです!!
いやー、みんなジャカルタに向かってる時は余裕に
「いや~渋滞すごいらしいね~。ちょっとどんなもんか体験してみないとね」
と意気込んでいるんですが、いざ渋滞を体験すると
「もうここには暫く来たくない・・・」
「目的地が見えてるのに進まないとかありえない・・・」
とか泣き言を言い始めます。
「ここに住んでる僕らすごいやろ!!」 「てか時間めっちゃ消費してて可哀そうやろ?」
「うん」(あっさり)
→もうちょっと同情して欲しい。
まあというわけで、正直友人には会いたいけど、来るのはお勧めしない都市ですわ、
ジャカルタって。
なんでこんなことになったかというと、
自動車の工場が出来て国内での販売数が
伸びているのに、道路自体が20年前と比べてあんまり増えてないからです。
(1995年:約30万台/年→2016年:約100万台/年)
また、公共交通機関、特に電車が発達していないからです。
なぜ増えないか?もしくは増やせないのか?というと、
お金がない+計画性が無い+決断力が無い+汚職=カオス←今ここ
簡単に説明すると、
①インドネシアは資源国なのに石油・天然ガスを輸入したりして財政赤字なんです。
②道路や鉄道を作る計画はこの20年中いくらでもありましたが、大体途中で頓挫しました。
ゼネコンのお金が無くなったり、土地買い上げがうまくいかなかったりなど。
③いまでこそせっぱつまってますが、20年前は渋滞していなかったわけです。
その頃から道路や鉄道を思い切って作ると決断していれば・・・。
④日本など諸外国がODAは勿論借款等でお金を注入しても、そのお金が突然
消えてしまうということが多々あります。それがどこにいったかというと・・・
ということで、簡単にいうと20年くらい前と同じ交通インフラなのに交通量だけ増えて
パンクしているというのが現状です。経済的にも毎日2,000億円程の損失と言われています。
はぁ、もっと前から計画していれば・・・と外国人は全員思ってますが
もはや後の祭りですね。
2.具体的な整備案件(達成するかどうかは別)
主な案件を紹介します.
①MRT
2014年スタート、2017年完工予定だが、いつものことながら延長して
多分2018年くらいになると予想。
→これが出来ると中心部の移動はスムーズになるが、住宅地と結ばれていないので
残念ながらあまり渋滞は減らないと思われる。
②港湾拡張
ジャカルタの港の稼働率は120%と言われており、貨物が出てくるまでにめちゃくちゃ
時間とお金が掛かります。時間だけならまだしも、向こうの都合で通関止められてるのに
その間の貨物保管料を取るってヤクザみたいな商売ですよ。
しかも累進課税で日数が経つほど税率が高くなるという・・・
どんな罰ゲームよ!! と誰もが嘆いてます。
③モノレール
ジャカルタ空港からの移動手段は現在車だけです。
そこでモノレールを作ればみんな車を使わなくなり渋滞が緩和されるってわけです。
だが、これも全く進んでおらず・・・。過去に市内に柱だけ建てて計画が頓挫して
柱だけ悲しく負の遺産として残っています。(珍百景として登録できるかもしれない)
④ジャワ島横断鉄道(ジャカルタースラバヤ)
これの一環としてジャカルターバンドン間の高速鉄道を中国に取られたのは
記憶に新しいはず。(ちなみにもうそろそろ1年経ちますが未だに進んでませんw)
これが出来るとジャワ島東西間の物流費が下がり経済発展に貢献されることが期待されてます。
旅行客も便利になりますね!(LCCが安いから僕なら飛行機使いますが・・)
⑤治水
10月―3月は雨期で、毎年洪水が発生します。どれだけすごいかというと
水高2メートルに達するエリアもあります。
なぜか、水はけが悪いからです。
下水管の容量も足りてないし、そもそも下水に流れるはずの排水溝がみんなが捨てる
ゴミで詰まってるので水が流れていきません。そして行き場を失った水が溢れて
すぐに冠水、また、普段から詰まっているので滞っていた水はゴミの影響もあり
腐ってて、その水が一緒に冠水するもんだからその水の中を歩いていた人が
ばい菌に感染するという2次災害まで起きる始末。(本当恐ろしい負の連鎖だ・・・)
⑥電気
電気供給量が足りてないのに急に都市部が発展したせいで、電気は主要ビルや
外国人エリアなどに優先的に回され、その他のエリアはしょっちゅう停電してます。
ちなみに電気代は12円/kWh くらい。
今までは火力発電所の原料が石油や天然ガスが多かったらしいのですが、これから
石炭も増やすそうな。世界的な石炭価格下落で国内の鉱山関係の産業が落ち込んでいるので
それを刺激するということと、輸入に頼らない原料を使いたいということでしょう。
何しろ今は為替(ルピア安)で電気代が上がったりしてる状況ですから。。。。
3.案件が進まないとどうなるのか
※多分こんな人が増える
まあ、これだけ紹介すれば察すると思うのですが、早くしないと、
まじで都市が色々パンクします!!
というか、本当に国として成長できないです。
事実この3年間実質GDP成長率は4.8-5%ほどで他東南アジア諸国と比べて
低めとなっています(シンガポール、マレーシアを除く)
逆に言うと人口が多く、領土が広いインドネシアは潜在市場が広く
インフラが整っていればもっと発展しているはずなんです。
問題はその潜在能力をいつ発揮するんだというところなんですがね・・・。
→その潜在能力発揮を待ちきれずに撤退してしまった外資企業は数知れず。
4.まとめ
インドネシア、というかジャカルタが如何に困っているかよくお分かり頂けたかと
思いますが、本当に政府次第で都市の発展はここまで差がつくんだなと思います。
地理的にも文化的にも近いシンガポールは淡路島ほどの面積しか持たず、尚且つ
550万人程の人口にも関わらず世界を代表する先進国になりました。
その発展ぶりは凄まじく、物価は日本よりも上です!シンガポールに来た
日本人はびっくりすると思いますよ、ラーメンと飲み物頼んだらもう
2千円くらいになりますからw
シンガポールは資源すらないのにここまで発展できました、なぜかというと
リークアンユーという偉大な指導者がいたからです。
インドネシアは今の所そのような指導者は現れていません・・・
ビジネスも国もそうですが、トップが明確な目標を掲げて耳にタコができるほど
皆に伝達していかなければ国として、会社として力が発揮されません。
そういった”伝達しやすい体制”と”すぐ実行できる体制”を作ることも
今のインドネシアには必要だなぁと、この国に住みながらリアルに感じるのでした。
emodrum