今日はジャカルタで非常に大規模なデモが予定されてましてかなり緊張感が高まっているので、それに触れたいと思います。
1. このデモはなんなのか?
ジャカルタ州知事はChristianなのでが、先日イスラム教徒にとっての聖書であるコーランの一節を嘘だと発言したことが問題となり今回のデモとなっています。
参加者は約6万人と言われており、各地からイスラム教徒が集まる予定です。
具体的には、モナスという独立記念塔近くのイスティクラル・モスク(インドネシア最大級のモスク)に集合してから州知事邸、大統領宮殿に向かうようです。
日本ではアホな政治家が問題発言することはよくあるので、特に気にしていなかったのですが、周りの友人の話を聞くとかなり深刻で、私達日本人と温度感が違うことを感じ、今回紹介しようと思いました。
どれだけすごいかというと、この問題によって、州知事は勿論、大統領まで
辞めさせられる可能性が出てきております。
しかも、州知事が辞めるまではデモが続くのではないか?というのが友人たちの見方です。
インドネシアには国教が無く、宗教の自由が認められています。
しかしそんな多様性があり、寛容な国だからこそ、お互いを尊重するべきという考えがあり、今回のように他人の宗教を侮辱するような行為はとことん許さないというのがインドネシア人の考えの様です。
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目次
2.これからどうなるの?スポンサードサーチ
まず本日11/4 にデモ抗議をして州知事を辞任に追い込むよう本人及び大統領に訴えかけます。
それで本人が辞任しない、もしくは大統領が動かない場合は国会前でデモをして大統領と州知事をクビにするように訴えかけます。
インドネシアの場合、大統領を辞めさせることが出来るのは議員だけなのでそこに訴えるという訳です。
インドネシアの法律では宗教を侮辱することを規制しており、特に政治上では厳しいはずなのに、今回州知事に御咎めがなかったら法律違反で、尚且つ御咎めが無い=大統領が手助けしているのでは?
という疑いも出てくるということで現在大統領に圧力をかける意味でもそういった考えになっているようです。
これによって大統領が州知事をやめさせれば早いうちに鎮火するでしょうし、州知事を擁護する用であれば大統領自身も砲火の対象になってしまいます。
それくらい大きな問題となっています。
3. 外国人の反応スポンサードサーチ
多くの企業は本日休みになっております。(厳密にいうと自宅勤務)というのは、通勤途中でデモ隊に絡まれる可能性もありますし、デモ隊が大量のバスでジャカルタに来てますので大渋滞に巻き込まれる可能性もあります。
とにかく今日は外に出ない方がよい、というのが我々外国人の共通理解です。
実際大使館からも厳重注意のメールが何度か来てますし、会社としてももし従業員に何かあったら責任問題になるので大事を取って休みにしています。
また、中には1998年5月に起きたアジア通貨危機を発端とする暴動を体験している方は、その時と同じ匂いがするとしてかなり怯えています。
無理もありません、当時華僑系のインドネシア人や顔立ちが似ている色白の外国人は全て攻撃対象で老若男女1000人を超える人が殺され、若い女性は強姦されたと聞きます。
当時を知る日本人は、戦車に守られながらアパートで過ごしていた、インドネシア語を話すと現地華僑に間違えられるので日本語か英語を話せと言われた、道路で車が燃えている、友人が山刀を買ってきた、銃を持った軍隊が商店の保護に当たっていた、町中にゴム弾の空薬莢が散乱していた、町中腐敗臭がした、など生々しい話が残っています。
なので当時を知る人ほど今回のような宗教絡みのデモには神経質になるようです。
4. まとめ
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どこの国にも宗教対立や民族対立といった内紛の種はあり、それが何がトリガーになって噴き出すか分からないということを今回のデモで感じます。
今の所大きな暴動は起きてませんし、私自身被害をこうむっていませんが、常に最悪の事態を考えて行動してリスク管理することが海外では重要だなとも思います。
事件というのはなんでも時間が経てば風化してしまうものですが、ここインドネシアではまだまだ私たちの記憶からあの時間が風化されるのはまだまだ時間が掛かりそうです。
冷静な行動と真摯な態度を多くの人に望みます。
※その後他の解説ブログを見ていると、どうやらアホックさんの真意とは違うものをメディアが報道していたようです。
こちらの池田さんのブログを見ると分かり易そうです。