ども、ジャカルタでプチ起業中のemoです。
今日は海外の和食屋についての話です。
海外に来たら現地の食べ物が楽しみでしょうがないですよね?
まあ、人によっては和食しか食わん!
という人もいるようですが、余程の頑固者か偏食でなければ現地のレストランを
渡り歩くのが楽しみだったりするはずです。
ただし長期滞在の場合は別です。
やっぱり和食が恋しくなってくるものです。
もしくは中華など親しみのある味に落ち着いたという経験が皆さんあるのではないでしょうか?
それはここジャカルタでも同じです。インドネシア料理ばかり食べていると
やはり飽きますし、日本人には脂っこく味が強いので毎日食べるのは
余程好きじゃないと難しく、ついつい和食を求めてしまいます。
そんな中いくつか和食屋を試しているとはずれがいくつかあります。
そう、外国人経営の店では外れが結構あります。(まあ日本人経営でもはずれはたまにありますが)
今回はそんな外国人経営の和食屋話。
目次
1.海外の和食屋の現状
2.日本人経営と外国人経営の違い
3.ビジネスとして和食を考える
4.まとめ
1.海外の和食屋の現状
※海外で有名な外国人経営和食屋一例
海外には和食屋はどんどん進出しており、アジアには無い国はないのではないかと
思うくらいあります。ジャカルタにもラーメン屋、牛丼屋、定食屋など
様々あります。しかし、多くの日本人はその店に寄り付きません。なぜかというと、
①見た目がおかしい
②名前が日本人センスではない
③メニューが何かおかしい
大体この辺のフィルターに引っかかって入店に至りません。
やはり損はしたくないという想いが根底にあるのが理由だと思いますが、
はっきりいって和食に対する期待が大きいというのが本質だと思います。
美味しい和食を食べたいという願望があるのに、
「こんな見た目のレストランが美味しいわけがない」
「日本人ならこんな名前付けるわけがない」
「日本人ならこんなメニューを作るわけがない」
といった判断になるのだと思います。
勿論これは
日本人=美味しい和食を作れる
外国人=美味しい和食を作れない
という前提があるからだと思います。美味しい和食を作れる外国人の方もいるでしょうから一概には言えないはすが、確率的にはずれを引く可能性が高いという判断なのでしょう。
しかしそんなことを気にするのは日本人だけで、現地人や観光客はそんなところは
気にしません。よってお店にはどんどんお客さんも来るし、店舗も増えていくわけです。
これが海外での和食展開の現実です。
2.日本人経営と外国人経営の違い
日本人目線でまず気づくのは
①店構え(名前含む)
②メニュ―
③サービス
です。
①僕のインドネシア人の友人に言わせると、店構えでは気付かないらしいですが、
食べると違いに気付くそうです。但しこの人は日本食大好きでいわゆる”本物の味”を
知っている人だからだと思います。ちなみに一般的に外国人経営だと店の基調が
真っ赤とかでやたら派手だったりすることが多いイメージ。
名前は「おいしい」とか「たのしい」とか 単語は合ってるけど日本人だったら
中々つけないようなネーミングで不安になるので結構大事だなと個人的には思う。
②外国人経営の所だとやたら写真が不味そうで、載せない方がいいんじゃないかと
思うくらいの時が多い。後やはら高級な(高い)枝豆とか何味か分からないラーメンとか
ありこれも不安になることが多い。
③これは実は一番日本人にとって敏感な所かなと。
例えばテーブルが清潔じゃなかったり、お茶をもらえるかどうか、おしぼりをもらえるか
どうかなどこの辺は結構気になるところ。
外国人経営のところは大体ここが出来ていないことが多いです。
つまり、和食屋での”おもてなし”ですね。
つまり日本人は和食の味もさながら、その空間の雰囲気、サービスなど
総合的に楽しんでいる訳ですね。
なので和食が食べたいとき日本人は冒険せずに日本人経営の店へ行くわけです。
3.ビジネスとして和食を考える
※ジャカルタで有名なローカル和食屋(日本とは一切関係ない)
さて、但し日本人経営と外国人経営とどちらが儲かっているか考えると
恐らく外国人経営の店だと思います。
データがないので推測になってしまいますが、一番の問題は
まともな和食屋はコストが掛かるからです。
例えば、御茶代、おしぼり代、箸や敷紙等の消耗品、品によって変える
食器代、従業員への日本式教育などちょっと考えるだけでも色々出てきます。
そしてこれらは横展開しづらいんです。なぜなら手が込みすぎているから。
多くの日系飲食店は海外に進出、店舗数を増やしていますが、それはいずれも
チェーン店など仕組みができあがったです。
先ほどから例に出しているようないやゆる和食屋では一つの都市で5店舗以上増やすのは
結構骨だと思います。
事実ジャカルタにはそこまで複数展開できているいわゆる生粋の和食屋はありません。
対する外国人経営の和食屋はシンプルです、ご飯の美味しさや従業員のサービスの質は
置いといて、特にこだわったものがないのでとてもスリムな経営体質です。
これはどちらが正しいという問題でなく、誰がターゲットかという話です。
日本人だけがターゲットならとことん日本人向けのサービスを追求すればよいと思いますが、現地人がターゲットならば日本式のサービスなどは必要ありません。
なぜなら、彼らはそれを望んでいません。ただ和食っぽい食事ができれば
それで満足という人が多いです。
勿論アッパー層の方向けであれば日本式経営を貫いて”本物”を提供する
というサービスはありですが、そうでなければ拘る必要はありません。
詰り、多くの方はできるだけ安く、気軽に和食を楽しみたいと思っているんです。
お通し、お茶、おしぼりなどが当然のように出てきて
メニューを見ると割高のメニュー・・・・
現地の方は
「こんなんいらねーからもっと安くしてほしいな・・・」
と思っている人も多いようです。
つまり、現地人をターゲットと考えた場合は外国人経営の店の方が
理にかなっていると言えそうです。
もっというと、現地の人の視点に立って考えられていると言えます。
4.まとめ
こうして考えてみると、店を大きくしていく=売上を伸ばしていく
という考えでみると外国人経営の和食屋の方が拡大が容易だということに気付きます。
ココイチや丸亀、モスバーガーなど日系のチェーン店が海外で伸びていることをみても
仕組みがしっかりしている企業の方が当然拡大しやすいです。
何しろ多くの和食屋は人に依存しており、その人がいなくなると店の雰囲気や味が
変わってしまうことも多々あるくらいですので。
只先ほど言うように、どちらが正しいという話ではなくそれぞれの良いところがある
訳です。特に自分は日本人ですし、日本の文化は大事にしたいので
日本独特のサービスには誇りを持っています。
但し、それは評価される時とされない時があるということを知った方がいいなとは
思っています。
商売の基本は、”相手に必要な物を提供する”ことだと思いますので、
相手が求めていないのに過剰なサービスをするのは若干押しつけがましいなとも
思いますし、
「このサービスの良さが分からないなら来るな!」
と突っぱねるのも傲慢だなとも思います。
せっかく無形世界遺産に選ばれた和食を海外で語るのが日本人より外国人の方が多い
ということだと何か悲しい気がしますので、日本人自らが効率よく
世界に良い和食を伝えていってほしいなと思うこの頃です。
そういった感覚を体感できるのも、養えるのも海外に出ないとまず無理なので
まだ海外にあまり行ったことが無い方はどうぞ東南アジア辺りを
ちょろっと周ってみてください。そしてそれからまたこのブログを見ると
また考えが何か変わるかもしれません。
emodrum