飲食店に差別化は必要か?/たこ焼き屋で選んだ現実的なプラン

差別化 飲食店

どうも、ジャカルタでプチ起業中のemoです。
今回は飲食でのメニュー開発話です。
私はピザ屋を経て現在たこ焼き屋をしているのですが、
共通して言えるのが”メニュー開発の大変さ” です。
というか正確に言うと”開発品をヒットさせる大変さ”です。
その辺りを詳しく紹介したいと思います。
目次
1.差別化の誘惑
2.理想と現実の乖離
3.トライアンドエラー
4.まとめ


1.差別化の誘惑

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飲食店は勿論経営をしている人にとって力を入れたいのは他店、
つまり競合との差別化なのではないでしょうか?
よく勉強した人ほど恐らくそうするのではないかと推察しますが、
自分も差別化には力を入れました。
というのも、ピザ屋やたこ焼き屋は既にジャカルタに沢山ありますし、
その辺りで差を作るかがポイントだなと勿論考えるわけです。
差別化の方法は色々ありますが、


①店舗設計
②テーマ
③商品
④サービス
⑤ブランド

などですが、この中で一番早く、そしてコスト無で取り組めるのが
商品だったので自分は商品開発を急いだわけです。
ピザ屋ではまず和風の、インドネシアには無いような味のピザを開発、
店長お勧めNO.1的な感じで店頭に飾りました。
物珍しさで頼む人は何人かいましたが、得体のしれないメニューと
調味料で敬遠する人も多く甲乙つけがたいです。
たこ焼き屋でもそうです。物珍しさから中身を蛸以外に色々考えて
他の店が作っていない具を入れて販売しました。
立ち上がりは芳しくありません、しかし当時の自分としては
「これはまだ知名度が無いからだ、浸透してくればバカ売れするぞ!」

と期待を胸に意気揚々と構えていたのでした。
何しろ”他店には無いメニュー”を出しているのですから、
お客さんは絶対に食いつくはずだと考えていたのでした。
2.理想と現実の乖離

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さて、開発品を出してから1か月どうなったかというと、
そのメニューの売上はほぼゼロでした。
売れるのは普通のたこ焼きばかり。
販売開始当初は知名度が無いからと思っていましたが、1か月経っても
状況が変わらないことで一つの仮説が立ちます。
「もしかしてみんな、王道が食べたいんじゃねー?」

そんな疑問が頭をよぎりつつも、めげずに1、2個と更に新商品を開発していくのですが
結果はいつも同じ。
売れず・・・。

そして3個くらい新商品を出した後に皮肉なことに僕の仮説は証明されることとなるのです。
食べると美味しいので、食べてもらえばわかってもらえるはず!
口コミで広がるはず!!と当初は思っていましたが、それ以前にまず食べてもらえない
ということで話が止まってしまいました。
では食べたらわかってもらえると仮定すると、試食をしたらきっと爆発するはず!
ということで試食を実施すると、
「うん、美味しい!」
「ユニークだね」

とか褒めてくれるんですが、購入には至らなかいことがほとんど。
なんならその辺の貧しい子供がご飯を聞きつけて試食を食い荒らす始末。
他にも色々あって結局試食も売上に対して効果が無いと分かった時点で止めました。
3.トライアンドエラーの末分かったこと

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※画像は特に関係ありません。
こういった事実が色々試したおかげで分かったわけですが、
自分なりに今回どうすればうまくいったのか考えてみました。
また、そもそも、
”本当に王道しか売れないのか?”という疑問もあり自分の可能性を探る意味でも考えました。
考えられる売れなかった理由

①価格

他の王道メニューと同じ価格、むしろ安い価格で出したものも
あったのでちょっとこれは考えられない。
②商品力

あまり魅力的ではなかったかもしれない。それは写真の見せ方なのか
材料の説明がいけないのか分からない。つまりメニュー自体の魅力がない可能性も
あるし、魅力が伝わっていないだけなのかもしれない
③気分

お客さんは小腹が空いた時に来店することが多く、その時に冒険をする
人が少ないのではないか? 自分の知っているものでとりあえず小腹を満たせればいい。
つまり、美味しさ<満腹感 なのかもしれない。
結局色々考えましたが、珍しい商品自体が悪いのですはなく、
その商品に興味を持ってもらう最初のステップが難しいということがよく分かりました。
例えばコンビニでは新商品が毎週の用に出ますが、大ヒットするかどうかは別として
とりあえずみんな試すことが多いです。
推測するに、
これはコンビニという信用ある箱の中での買い物なので
①はずれが無いと思ってる。
②コンビニに来る人は大体ヘビーユーザーで定番商品に飽きている。
③既にCMなど広告で見て興味を持っている。

などが考えられます。
つまり、
①信用力
②ロイヤルカスタマー
③広告

ということです。これが商品で差別化する際のキーワードになりそうだなと。
4.まとめ

自分なりに考えた結果珍しい商品自体が悪いわけではなく、
その商品を知らせる、そして興味を持ってもらうという初期段階をクリアするのが
非常に難しいから売れないというのが結論でした。
ではそうすればよいか?というと
上記の例でいうと
①信用力を上げるには長年商売をする、もしくは有名人がお勧めするなどの
工夫が必要だと思います。
②通ってくれるお客さんを獲得するにはそれこそ長く商売を続けないといけないですし、
飽きさせない工夫が必要です。(飽きさせない為の商品開発のつもりが、それをやるには
長く商売をしなくてはいけないというこのジレンマが悩ませます)
③有名人、モデルなどを採用して広告すれば多くの人が興味を持ってくれるでしょう。
その時点で新商品の役目は半分は果たしているといってよいでしょう。
後は美味しければロングヒットするでしょうし、いまいちであれば恐らくすぐ消えて
また次の新商品を投入するという繰り返しでしょう。
これらの解決策は実は結構予算が必要だったりするので小さい店にとってはすぐに、もしくは簡単に実行できないことが多いです。
ではどうすればよいか・・・?
他で差別化する、もしくは思い切って投資するの2択です。
但し差別化に拘るならば、です。
結局一番簡単なのは王道メニューに甘えて販売するのが
一番無難な経営と言えるでしょう。何しろそこには既に市場があるのですから。
emodrum
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投稿者: emodrum

インドネシアはジャカルタで新規事業立上中、元たこ焼屋。 海外就職、現地採用、海外生活、海外ビジネス、ノマドの欲しがる情報 など紹介。

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