インドネシアで電子決済アプリが急拡大しています。
なぜならインドネシアには電子決済アプリが拡大する条件が多く揃っているからです。
条件の一つはインドネシア人の銀行口座保有率はまだ50%程度、クレジットカード保有率は2%という状況が関係してます。
日本のようにすでに誰もが銀行口座を保有しており、クレジットカード保有率が90%を超えるような状況とは全く違いますよね?
日本でおなじみのおサイフケータイなどでおなじみの非接触型端末は、決済手段が増えてUser側にとって便利な一方、販売店側に端末台コストの負担やレジ周りの場所を取られるというデメリットがあります。
更にいうと、非接触型に対応したスマホ端末も中堅価格帯~高価格帯に限るという問題があって発展途上国では普及に歯止めがかかっている要因になっています。
しかし、今回紹介するフィンテックを利用した電子決済アプリはこれらの問題を解決できることから一気に拡大するというわけです。
また、電子決済アプリ普及は事業者側にもメリットがあります。
現金決済が減るとレジの準備金を減らすことができ、盗難や強盗リスクを下げることができなおかつ資金負担も減ります。
更に、電子決済アプリ普及は国にとってもメリットがあります。
現金発行コストが減り財政負担が少なくなり、結果インフレリスクも下がる。
以上上げたいくつかの外部環境の影響で、中国では当たり前に浸透している電子決済アプリによるキャッシュレス化がここインドネシアでも爆発的に流行る確率が高いということがわかると思います。
では電子決済アプリが流行るとしても、数多くある電子決済アプリの中でどの電子決済システムが生き残るのでしょうか?
電子決済アプリをわざわざ乗り換えるのは手間なので、どうせなら最初からよいサービスを使いたいですよね?
ということで、今回はインドネシアで生き残りそうな電子決済アプリを現状から考えて紹介します。
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目次
OVO
運営元はPT Bumi Cakrawala Perkasaという会社でリッポーグループの一つ。
リッポーが絡んでいるだけあって、Lippo mallやLippoが管理している建物や土地ではOVOが爆発的に広まっています。
東京センチュリー出資していることもありかなり信用、安心できる電子決済アプリの一つといえます。
OVOの特徴
OVOを使える店が多い
先ほど伝えたように、OVOはリッポーグループが運営しているだけあり、リッポーグル―プのモールを中心に、モール内で使用できる店が爆発的に増えています。
OVOは決済スピードが速い
OVOは決済スピードが本当に早い、店頭ではQRコードを読み取るだけで一瞬で決済できます。
クレジットカードのようにサインやPINを入力する手間がないのも電子決済アプリの強みともいえます。
OVOはプロモが多い
OVOは現在数多くのプロモーションをしています。
例えば10%キャッシュバック、中には100%キャッシュバックも!数十%割引など店ごとに割引率が違うこともあります。
OVOでTop upする
いくつか手数料無料でトップアップする方法があります。
Grabpay、Bank NobuかMatahari またはBooks &Beyondを利用すれば手数料無料です。
そのほかの銀行経由ではチャージ料がRp6,500かかります。
T-cash
T-cashはインドネシア最大手のキャリア、Telkomselによる電子決済アプリです。
元から会員数2000万人を抱えるキャリアなので、これから電子決済アプリを広めるのに優位に働きそうです。
ちなみにT-cashも他の電子決済アプリ同様、店頭でQRコードを用いて支払うことができ、既に大手の飲食店でも導入されており、T-cashの浸透が加速しそうです。
ちなみに有名な店舗ではスタバ、KFC、マックなどでT-cashが使えます。
その他、携帯の支払いやプルサ(Deposit)のチャージにも対応しちゃってます。
更にさらに、T-cashを利用してOnlineショッピングサイトの支払いも可能なんです。
クレジットカードがない人はこれまでATMやコンビニから支払うしかなかったですが、T-cashが提携しているサイトなら電子決済できてとても便利です。
T-cashの特徴
キャッシュバック
OVO同様、T-cashもキャッシュバックキャンペーンを行っています。
5万ルピアチャージしたら1万ルピアバックされるなど、そのような割合です。
T-cashのプロモ
T-cashは頻繁にプロモを行っており、有名どころではマックなどのファーストフード向けデリバリー代が無料になるなど。
T-cashは幅広いキャリアに対応
T-cashはTelekomselの電子決済アプリで、当初はTelkomsel向けの支払いしかできなかったが、現在は全キャリアに対応している。
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Gopay
GopayはGojekというバイクタクシーアプリに備わっている電子決済機能で、既にバイクタクシーアプリの利用者が登録している中でのローンチだったので非常に早く浸透した電子決済アプリといえます。
Gojekはインドネシアの数少ないユニコーン企業と言われており、中国のTencentから1200億円以上を調達しています。
現在GOjekではバイクタクシーだけでなくタクシー配車、デリバリー、清掃、マッサージ、散髪、チケット購入など幅広いサービスが利用でき、全てGOpayを利用して電子決済することが可能です。
Go-payの特徴
Gopayアカウントにすぐチャージ
GOpayは簡単に電子マネーをチャージできます。
銀行やコンビニからは勿論、バイクタクシーの運ちゃんに頼むことでその場でGOpayアカウントにチャージできます。
バイクの運ちゃんもGojekでの売上金をその場で現金化できるので客とドライバーがお互いWinwinでよくできた仕組みといえます。
QRコードを読み取り支払い
他の電子決済アプリと同様、GOpayでQRコードでの即支払いが可能。
Gopay user間で送金可能
GopayではUpgradeすると個人間の送金が無料でできる(銀行要らない!)
これは恐らく中国のTencentの影響かもしれない、中国ではWechatPayやAlipayユーザー同士で頻繁に送金が行われていますので、その成功事例をコピーしてると思われます。
電子決済アプリの課題
インドネシアで電子決済アプリによるQRコード決済が普及したら、次に問題となるのは顧客間の送金サービスでしょう。
というのは世界的にマネーロンダリングやテロ資金供給問題に敏感になっており、今回紹介した電子決済アプリのような送金サービスが利用される可能性があるからです。
また、税金逃れによる資金譲渡も可能性があり、今後全ての電子決済アプリが政府監視下に、更に言うと国同士も監視する必要が出てくるかもしれない。
電子決済アプリにはリスクもあります。
電子ウォレットをハッキングから守るセキュリティの構築や電子決済アプリの運営元が倒産した場合のペイオフ制度など、今後整備すべき課題は多い。
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まとめ
インドネシアで生き残りそうな電子決済アプリを3つ紹介しました。
それぞれ自社の強みを生かしたマーケティングを展開しており、今後の電子決済アプリのシェア争いが非常に楽しみなところですね。
特にこれだけ3強がキャッシュバックなど似たような戦略を展開すると、競争が激化して消費者にとっては嬉しい状況になると予想されます。
すると利用者の母数が増えて更に良いサービスが拡充され、また利用者が増える、というよい循環になるとも予想されます。
今後の動向に注意していきましょう!