ども、ジャカルタでプチ起業中のemoです。
今回は飲食ネタです。
インドネシアは人口が2億4千万人もいるということもあり、外資系の外食産業の
進出が激しいです。
日本もその内の一つで、ジャカルタには多くの日系企業が進出しております。
しかし、全てがうまくいっているわけではありません。
なぜなのでしょうか?
うまくいく企業と撤退する企業の違いはなんなのでしょうか?
具体例を用いてみてみましょう。
目次
1.外資の飲食産業への規制緩和
2.成功している外資系飲食店
3.金持ち点と貧乏店の違い
4.まとめ
1.外資の飲食産業への規制緩和
インドネシアではレストラン関係の外資規制が今まで厳しく51%までしか出資できません
でしたが2016年から100%が認められました。これを受けて、より一段と
外食産業が流れてくることが期待されています。というのも現地企業と組んだ場合はメリットデメリットありますが、
多くはデメリットや進出前の段階で悩まされているケースが多いからです。
現地企業と組むメリット
①現地企業のネットワークを活用することによってビジネスが
スムーズにいきやすい。もしくは拡大しやすい。
②仕入れ先などを開拓する必要もないので商売が始めやすい。
③会社登記など面倒な事務作業を手伝ってもらえるので楽。
④ローカル感覚が掴みやすく、マーケティングが容易。
⑤資金を分担することでリスク分散になる。
デメリット
①2社存在に付、決断が遅くなり、スピード感が無くなる。
②責任の所在が分からなくなる。
③裏切られる可能性がある。
④役員などとのコミュニケーションがうまくいかなかったりする。
進出前段階の悩み
①良いパートナーが見つからない
②契約内容が纏まらない。
実は中小企業の方などは資金負担のこともあり合弁先を探していることが多いのですが、
海外に進出したことがないような企業の場合、現地企業との交渉などしたこともなく、
通訳を介するとはいえ話が難航し結果時間を無駄にしてしまうだけということも
少なくありません。
また、とても良い企業を見つけたとしても合弁先が日系企業側の条件を素直にのんでくれるわけではありません。
例えば例えば51%が外資側の出資金Maxだとしても、
50%づつでないとダメだということも多々あるわけです。
ちなみに私の経験上半々はほぼうまくいきません。
それは最終権限者が2人いることにより、話が前に進まないからです。
また、購買に関しても外資企業側がOKなのに現地企業側がサインしないから
物が買えない(中にはボールペン一本買えないという企業もありました)
という事態が発生してしまうからです。
まあともあれ、合弁先企業は勿論契約内容によって差がありますので一概には
いえませんが、ともあれ規制緩和に動いております。
2.成功している外資系飲食店
代表例を挙げます。
1.吉野家
2.KFC
3.Macdonald’s
4.Hokahoka bento (日本のとは関係ないw)
5.Starbucks
6.丸亀製麺
などなど。順番に意味はありません、そしてレストランランダムに選びました。
共通しているのはほとんどのインドネシアの国民に認知されているということです。
(丸亀はまだジャカルタ以外ではそこまで知名度ないかもしれません)
これらの店はインドネシア国民に受けるように、テーブル席が多いのが特徴です。
そう、インドネシア人は食べながら、もしくは食べた後に駄弁るのが好きなんです。
学生が何時間もサイゼリアでコーヒー一杯で粘るのとおんなじ感覚で長期間います。
あの吉野家ですらファミレスの様な形式を取っているのは感動しました。
なぜなら、日本のやり方に固執せず現地に合った形式を選んだということですから。
吉野家が頑固に日本のやり方、つまりカウンター席メインで店づくりをしていたら
今の不動の地位は築けなかったと思います。
KFCやMacdonald’sもそうです、彼らがバンズだけを販売していたらやはり
ここまで発展しなかった気がします。メニューにお米を入れたことによって受け入れられたと言えそうです。
当たり前に聴こえますが、成功している店は客に好かれるツボを心得ている訳ですね。
当たり前のことをやり通す、これが成功の秘訣なのかもしれないと彼のビジネスをみていると感じます。
3.金持ち店と貧乏店の違い
ここで具体的な例を出します。
インドネシアでも人気の店丸亀製麺と既に撤退した富士そばを例にしてみます。
方や既にインドネシアに10店舗以上チェーン店がある丸亀製麺は一時の勢いはなくなりま
したが、未だにお店は混雑しています。
一方既に撤退していますが、富士そばがどうだったかというと、常に閑古鳥でした。
なぜなのか? 考えてみます。
①立地
丸亀製麺は高級モールの飲食店街に300㎡くらいの敷地を借りていることが多いです。
モールはいつも混雑しているモール内にあることが多いです。
対する富士そばは高級モールですが売れていないモールの、人が少ない階の端っこでした
というのもこのモールは当時完成したばかりで、ユニクロ2号店が出来るなど期待が
高かったのですが、モール前がいつも大渋滞する立地でした。
②商品
丸亀製麺の売りである釜揚げうどん、ぶっかけうどん、かけを始め牛丼など米料理が豊富。
尚且つサイドメニューの揚げ物は10種類以上あり充実していました。
味は日本より出汁が少ない気はしましたが日本人でも食べれるレベルですし、尚且つ
現地人の好きな辛めの薬味などは人気です。
対する富士そばは日本で人気のメニューをそのまま持ってきたような形で、
日本人が好きな素材の味を楽しめるそば料理が多かったです。
その他セットメニューとして丼などもありました。
このクオリティがジャカルタで食べれるのか!と思い感動して日本人店員に
お礼を言ったほどです。
③価格
丸亀のメニューはどれもRp30,000-Rp40,000(300円くらい)前後で、それにサイドメニュ
ーがRp7,000-12,000(65-100円くらい)でした。日本と変わらない価格なのに
一時は行列ができるほどの人気ぶりでした。
対する富士そばはRp35,000-Rp60,000くらいで若干割高だったと記憶してます。
勿論セットメニューでしかも飲み物代込なので一概には言えないのですが。
(丸亀は飲み物有料)
④オペレーション
丸亀の方は従業員が10名以上の体制で、店舗に日本人は基本的にいないような状態です。
注文から商品受け取りまで流れ作業で非常にスムーズです(このインドネシアで!)
対する富士そばの方はせいぜい2,3名の体制(まあ店舗面積が30㎡くらいだったので)
でしたが、日本人がいなくなると味が落ちてしまうということがありました。
というのは日本人感覚だからかもしれませんが。
⑤店舗設計
丸亀はオープンコート仕様で尚且つ席数が120-150席はある仕様です。
キッチンもオープンキッチンで作っているところが客側からよく見えます。
対する富士そばはまず入り口が狭く、尚且つ店はガラスで仕切られており、
席数も60席が良いところだったと思います。
⑥パートナー
丸亀製麺のパートナーはSribogaというインドネシア最大の小麦粉サプライヤーで
強力な購買力と販売ネットワークを持ちよせています。
三菱商事とも連携していることが知られています。
対する富士そばは独資での出店でした。当時ジャカルタにはそば専門店はなかったので
勝算があっての進出だったのだと推察します。
4.まとめ
2店舗の違いはこうして見てみると大きな違いがあったのだと気付きます。
勿論ここに挙げただけの理由だけではなく、様々な要因で成功・失敗があると思いますが
こうやって結果だけみてあーだこーだいうとは簡単で、現場の人間は毎日四苦八苦
していたと思います。自分もビジネスをやってみてわかります、口だけあーだこーだ
いうのは本当に簡単なんですが、みな理想論を言っていて現実論ではなかったりすることが多々あります。
コスト的にどうなのか? すぐできるのか?
などは結局自身で検証しなくてはなりません。
僕は評論をするつもりは一切なく、こうやって成功事例や失敗事例をみて原因を
考えることによって参考にすることができるのです。
そして、”失敗”というと日本人は相変わらずマイナスイメージがあると思うのですが、
成功の反対は失敗ではないんです。
失敗は成功へのステップです。
事実富士そばはフィリピンや台湾では成功しています。
こういった事例をみてチャレンジすることの大事さを皆さんに共有したいというのが
今回の想いです。
勿論挑戦の前に十分な準備は必要で、その上でのチャレンジには意味があります。
がむしゃらにやって失敗するのはナイストライではなく無謀に終わってしまいます。
海外で何かチャレンジしたくなったらこういった日系企業の失敗事例を
見てみるのはお勧めです。成功事例だけみるより遥かに勉強になります。
emodrum